![]() | もう一つはg/dLに直してα1とα2の領域は非常にバラツキが大きいのであまり病態と結びつきませんよということを云われたんですが、黒で書いたのが肝硬変症。慢性の肝障害の強いものですね。白いのは急性の肝炎。そうすると一色端にしてしまうと「α1とα2はあまり病態と関係ありませんよ分析の上でも変動係数が大きいですからね」と云われがちなんですが、一応皆様方まずコンピュータに計算させないで必ず今でもグラフ用紙にプロットして暇な時にながめながら考えて下さい。そうするとこの図から明かなように重症の肝障害ではたしかに蛋白α1分画の値とAlbの分画と平行関係があります。重症であればある程度α1も低い。ところが肝炎の場合逆です。肝炎の場合はα1分画というのはむしろ急性相反応蛋白としての働き方が有意に出ていることになります。これの詳しい解析については時間の関係で省きます。このようにコンピュータの計算能力だけに頼ることは今でも絶対に避けて頂きたい。まずグラフに書いて自分の目で考えると必ず違ったものが浮かんでくる筈です。 |