第7回 報告「血清蛋白分画におけるReference Interval(基準範囲)の設定」(6)

6.基準範囲の求め方(概略)

 個人の情報はどんな情報を得たか、といいますと、アンケート形式で、年齢、身長、体重、これは、肥満を見るためです。それから血圧、喫煙、アルコール、検査時の状態、既往歴、受診中かどうか、薬服用中か、検査データはどうか、ということです。実はこの薬の服用中ということに関しましては、充分情報が得られませんでしたので、最終的には、これは省略いたしました。


基準範囲の求め方(概略)

  1. 以下の検診者を除去
    • 何らかの病気で受診中の者
    • 糖尿病、肝疾患、痛風、手術等の既往を有する者
  2. 施設間の全体的な比較(施設A、B、C)
    • ヒストグラム作成、平均値・標準偏差の算出
  3. 生理的条件、生活習慣による比較(施設A、B)
    • 年齢差:18〜40、41〜60、61歳以上
    • 性別差:男、女
    • 肥満の有無:肥満→標準体重の+20%以上
    • 高血圧の有無:高血圧→最大160以上or最小95以下
    • 喫煙の有無:喫煙→有りと記載されているもの
    • 飲酒の有無:飲酒→有りと記載されているもの
  4. 推奨される基準範囲の設定(施設A、B、C)
 求め方の概略ですが、まず、以下の検診者を除去いたしました。何らかの病気で受診中の者、例えば風邪であってもそうですし、怪我であってもそうです。判断基準が難しいので、現在受診中の人は除去いたしました。また、検査時の一般状態が不良な人も除きました。それから過去に糖尿病、肝疾患、痛風、手術などを有する人も除きました。
 その結果が、527例が373例に、199例が135例に、28例が28例となり、これらを本当の対象としました。
 以上のように対象を設定して、まず施設間の比較を大まかにいたしました。
 これはA、Bが多いですので、両施設に限って行いました。それから、生理的条件、生活習慣による比較ということで、症例数の多い施設Aに限ってデータをお示しします。

 年齢、性差、肥満の有無、肥満は標準体重の20%以上といたしました。高血圧、最大が160、最小が95で、喫煙は、喫煙ありと記載されている者を喫煙ありとしました。飲酒は飲酒ありと記載されている者すべてをそれとしました。
 最終的に推奨される基準範囲の設定をこのA,B,C3つの施設を合わせてやりました。


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