第7回 報告「血清蛋白分画におけるReference Interval(基準範囲)の設定」(25)

25.質疑応答(5)

 日高先生、どうですか?
日高 信州大学の日高です。我々のところでも、いろいろ泳動については、やっているんですけど、この基準範囲については、全く手をつけて おりません。というのは、先ほどもいろいろ議論がありましたけど、Albの値が変われば当然こちらのα1、α2、β、γと全部データが変わってくるわけですので、この5分画のそれぞれ基準範囲を出すのは、果たして必要なのかということを1つ感じています。というのは、むしろ各施設で、この%、基準範囲出しても、各施設で蛋白、Albの測定値がバラバラであれば、全く意味の無いことになってしまうように思うんです。むしろこの範囲を出される場合、このAlbの%だけで十分ではないか、と思うんですけど、いかがなものでしょうか?
松尾 それは、定量的な化学法の蛋白といいますか、A/G比といいますか、これをどう利用するかで、ちょっと違ってくると思うんです。そこら辺は要するにA/G比が2つあって・・・。
日高 そこで、A/G比を合わさなければいけないと思うんですよ。
松尾 A/G比を合わせるというのは?
日高 蛋白定量のA/G比とそれからこちらの泳動のA/G比が合わない、ということは、おかしいことになるのではないか、というのが僕らの考えなんです。
松尾 理想は確かにそうだし、私も合えばいいと思っています。ただ、現実はそうはいかないので、今のところどうでしょう。
日高 はい。それが1つ。それと、喫煙とアルコールの問診のことなんですけど、正常値をとる時に、いろいろと問題になります。例えば、毎日少しずつ飲む方と、普段はあまり飲まないけど、飲む時はいっはい飲んじゃう人とか、どういう風に分けるか難しいですね。また、タバコも吸うけれどアルコールも飲む、という具合になってくると、先ほと先生がおっしゃったように非常に入り組んできて、わけがわからなくなるんじゃないかと思うんですけど、むしろ、その辺は無視して、数を増やしていただいた方がデータとしておもしろいんじゃないか、またいろいろと見えてくると思うんですけれども、いかがでしょうか。
松尾 そうですね。ぜひ、数にご協力下さい。そうしたらなんとかして。
日高 ぜひ、1,000件といわずに10,000件ぐらいのオーダーで出していただいたらもっと信頼性がぐっと上がるように思いますので、よろしくお願いします。



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