第7回 報告「血清蛋白分画におけるReference Interval(基準範囲)の設定」(24)

24.質疑応答(4)

 はい、どうぞ。
目黒 東京の白髭橋病院の目黒ともうしますけれども、先ほどの基準範囲をお決めになるときに、男女差もつけるんでしょうか?
松尾 これは、もう少し数が増えたら、男と女を分けた方がいいかと思います。
 今回はいろいろな因子を除いてしまったら、数が少なくなりました。難しいのは、このいろいろな要因を除いた男・女で表示しますと、実際に男でタバコをのんでいる、のんでいないとか、頭がこんがらがってどんな表を作っていいのか分からないです。
 だから、男と女という因子に限っては、こういう差があります、というデータにしたいと思うんです。そうしないと、現実にはなかなか、いちいちタバコをのんでるという枝分かれをしてから、基準範囲をみてたら混乱してきますので。
目黒 ただ、臨床的には年令が高齢化するにしたがってAlbというのは、だんだん低くなりますよね。総蛋白も低くなってまいりますので、数字でなくて分布図だけをぱっと見てわかるようにしていただくと外来で診察している時助かります。男女差を分けていただいて、更に、妊娠の有型などを分けるのは、意外といいのではないかなと今思っただけのことなんですが・・・。
松尾 そうですか。それではそういうのも、ちゃんと示した方がいい、という・・・。
目黒 そうですね。ある程度、婦人科系統があるところだったら、そういうことを考えてお分けになった方が臨床的にみて非常に意味があるのではないかと思うんです。
松尾 わかりました。みなさんに分かりやすくという観点から考えます。
目黒 よろしくお願いいたします。
 性別のことなんですけれども、生活様式のちがいも加味しなければと思うんです。昔の男性は働いて、女性は家にいるということが、今は男性もお料理を作るし、逆に女性も外で働いていますから、生活習慣が昔の男女差と違うかもしれないという気がするんですけど、これらのことが、この蛋白分画に反映しているということも考えられます。
 女性の場合、私もずっと検診でとってますけど、女性の体で変わる時は、やはり妊娠している時です。蛋白分画なんか、ものすごく違います。
 あとは閉経期です。閉経期すぎますと、検査データの中で男女差がなくなるものもあります。
 ですから、その2点だけは、気をつけて見ていただければいいかな、と思います。



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