厳密には他施設の基準範囲を採用することは難しいことであります。100%は無理です。施設間差もあるし、膜の差もあるし、器械の差もあるでしょう。しかし検査法、採血方法、対象、設定方法等を添えた基準範囲が公表されていれば、100%は無理だけれどもバラバラのものを用いるよりはずっといいものができると云う風に思っています。 NCCLSはこのことについてどう云っているかと云いますと、測定系とか対象の内容がほぼ同じであれば、 (1)基準値の分布が主観的に判断してだいたい一緒 (2)小人数の健常人の分布をとってみて有意差がなければ、相互利用が可能 としています。ただし、この場合でも基準範囲が公表されていることが前提にあるということであります。私は基準範囲の公表を強調したいのであります。 |