第6回 教育講演「Reference Interval(基準範囲)とその実際」
(11)
5.基準範囲はどの様にして求めるのか?
2)基準範囲設定の実際と問題点・注意点(c)
それではNCCLSが提唱している方法と蛋白分画に影響を及ぼすような異常値を除去してやった方法で求めた基準範囲を図に示します。
そうしますと職員検診は規定の方法にしろ、異常値を除去した方法にしろそう変わらない結果でありました。最も違ってますのは総合外来で、γ−グロブリンが高いという結果になりました。実は私どもの施設の基準範囲は検診のデータを用いていますが、SP膜を導入する前は総合外来のデータを使っていました。いい加減なことをしていたんじゃないかなあとちょっと反省しております。
基準範囲を設定してみて感じた事はどんなことかといいますと、各検査項目について以下の事が示されたものがあれば取り組み易いのではないかということであります。まず健常者というけれど、どんな人だったら良いのかということ、それから区分されるべき生理的条件や生活習慣とはどんなものかということです。だいたいのことは分かりますが、理想的な条件とはどんなものでしょうか。健常者として、あるいは生活・生理的条件として最低限これだけ守ればいいと云うのがあれば気苦労しなくて済むということであります。
前
次
もくじに戻る