今日、最初にお話するのは基準範囲とはどんなものであるかということです。なぜ今、基準範囲なんかわざわざ言わねばいかんのか、正常値とはどのように異なるのか? カットオフ値という言葉がありますけれど、どんな風に異なるのか? 基準範囲はどの様にして求めるのか? 他の施設でも用いることが出来るのか? 普及させてどの様な問題点があるのか? 今後どうしたら良いのか? どんな風に取り組んだらいいのかをお話します。基準範囲の実は目的の一つは他施設でも用いる事ができる様にしようということ、それから基準範囲という言葉を定義して、一定の設定方法に従ってやろうという、2つが大きな目的であるという風に解釈しています。 基準範囲というのは実は1969年にScandinavian Society for Clinical Chemistry and Clinical Physiology により20数年前に提唱されている訳ですけれども、実際にはIFCCとかNCCLS、特にNCCLSがきっかけになりまして、日本でも臨床病理学会でこの基準範囲を採用しようという動きがでている訳であります。 |