第3回 特別講演「血清蛋白分画の自動病態解析」(16)


2-3 M蛋白検出の原理

M蛋白検出の原理
ピーク比アルブミン分画のピークと各グロブリン分画のピークとの比から検出する
 
傾 斜濃度図の傾き具合から検出する
 
半値幅各分画の半値幅(ピークの半分の高さとなる点の幅)から検出する
 
変曲点各分画の変曲点の数から検出する
 M蛋白をどうやって検出するかという事で非常に悩みました。何年もかかりまして最終的にはこの4つのアルゴリズムを組込み、検出しております。
 先ず第一にこれは言葉の説明でありますが、"ピーク比"というのがあります。アルブミン分画のピークと各グロブリン分画のピークの比からM蛋白を検出しようという訳であります。これはある一定のレベル以上にピークが高くなった場合に、それをM蛋白と呼ぼうという訳であります。これは可成りglobeと言いますか、比較的大きなM蛋白を検出するのに役立ちますが、微量のM蛋白にこのピーク比というアルゴリズムは全く役に立ちません。
 次に"傾斜"というのがあります。傾斜というのは1つのデンシトメータのパターンから傾き具合を検出するもので、その傾斜度を測って、急峻な傾斜をもったものをM蛋白として検出しようというアルゴリズムであります。
 次にこれは最近新しく作ったアルゴリズムでありまして"半値幅"というのがあります。これは各分画のピークの丁度半分の高さの所のそのデンシトグラムの幅(分画の幅)を検出しまして、ある幅よりも狭くなったものをM蛋白として検出しようとするものです。
 それから4つめの検出方法でありますが、これを"変曲点"と呼んでおりまして、これは二次微分を使いまして、例えば同じ分画の中で二次微分でもってプラスからマイナス、マイナスからプラスに変化するそういう部分があればそれをM蛋白として検出しようという事で作ったアルゴリズムそす。

 この4つのアルゴリズムでもって、ある程度M蛋白検出する事ができた訳です。


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