第3回 特別講演「血清蛋白分画の自動病態解析」(14)


2.血清蛋白の自動病態解析 −M蛋白の検出−

 そういう風な事を何年かやりまして、実際商品化はいたしましたけれども、商品としてあまり売れていないという事です。それは一つは10項目の蛋白を同時に測ると保険点数で削られてしまうという事でありまして皆様があまり出したがらないという事であります。果たしてそういう病態解析というものが臨床家にとって非常に強いニーズがあったかどうかというのもちょっと疑問だったのかも知れません。そこで先程のM蛋白も比較的難しいという点、それからもっと簡単にできないかという事がありまして折角"河合の分類"が蛋白分画でやっていますので、それで病態解析をやってみようという事で、血清蛋白分画を自動病態解析しようという事になりました。


2-1 目的


 目的

 血清蛋白分画のデータを日常の臨床検査の場で少しでも有効に活用されることを願って、全自動電気泳動装置による血清蛋白分画像をコンピュータを用いて自動解析する装置を開発する。
 血清蛋白分画のデータをただ帰すのではなく病態解析をコメントとして付ける、そういうコンピュータプログラムを作ろうという事で始まったわけでありまして、一番最初に我々が問題にしましたのは、自動電気泳動装置を使いますと、はっきりしたM蛋白は自動的に検出できますが、必ずしも微量なものはM蛋白の検出ができないという事でありまして、一番最初に我々が力を入れましたのは、M蛋白を例え微量でも検出しようという事で、M蛋白検出プログラムを作った訳であります。



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