かけあし!ELP入門(速習版)の参考文献

  1. 井上勤:電気泳動法概論.新版電気泳動実験法(電気泳動学会編):文光堂,1989.p1-20
  2. 河合忠:電気泳動法の歩み.Medical Technology別冊 電気泳動法のすべて:医歯薬出版,1991.p1-2
  3. 大谷英樹:血清蛋白とその分画.臨床検査ガイド(大久保昭行,ほか編):文光堂,1995.p155-161
  4. 島尾和男:電気泳動法の基礎知識.生物物理化学 41:1-11,1997
  5. 河合忠:血漿蛋白−その基礎と臨床−.医学書院,1969
  6. 河合忠監修:臨床検査.臨床検査薬情報担当者研修テキスト2.薬事日報社,1998.p107-116
  7. 菅野剛史:電気泳動に必要な知識.Medical Technology別冊 電気泳動法のすべて.医歯薬出版,1991.p3-9
  8. 浅川英男ほか:各種電気泳動法.新編臨床検査講座別巻電気泳動法.医歯薬出版,1992.p13-119
 *印=岩波 理化学辞典,第4版.岩波書店.1987
 ☆=電気泳動学会編:新版電気泳動実験法.文光堂,1989
 ◇=生化学辞典.東京化学同人,1984
 □=分析化学辞典.共立出版,1971
 ○=新明解国語辞典,第三版.三省堂,1981


語句の説明:

電場 帯電した物体の電気力が作用する場所。電荷とその運動状態から決まる。=電界

 
荷電 すべての電気現象の根元となる実体であって、その性質は電気量によって規定される。

 
電荷 素粒子は、その種類によって決まる一定の電気量をもち、電気素量をeとすれば0、+e、−eのいずれかである。この種の電荷は荷電とよばれることが多い。

 
易動度 電気泳動速度。荷電粒子の移動速度を、その場所の電場の強さで割って得られる値

※ある条件で電気泳動したとき、粒子が元の場所からどのくらい移動したかを表わしている。

 
電気素数 すべての電気量はある微小な一定量の整数倍である。この一定量を電気素量といい、通常eで表わす。電子、陽子などの荷電素粒子の電荷の絶対値は電気素量に等しい。

 
分離分析法 混合物から必要な物質を分離しながら分析する方法。

 
電極 電流の出入りする場所。ある系の中に電流を流す、または電場をつくる、あるいは系から電流を取り出すなどの目的で設けられた電子伝導系または半導体をいう。

 
電解質溶液 水のように電気的に偏った分子構造を持つ液体に、電気的に偏った分子構造の物質が溶けて陰イオンと陽イオンに電離しているような溶液

※例:塩水。
 
緩衝液 外からの作用にたいして、その影響を和らげようとする作用(緩衝作用)をもつ溶液。溶液のpHを一定に保つ必要がある場合に用いられる

※蛋白の電気泳動には、バルビタールとバルビタールナトリウムを混合した緩衝液がもっとも用いられている。
 
帯電 物体に電荷を帯びさせること、または電荷を持った状態をいう。
 
媒質 化学反応が行われる場を作る物質。反応の選択性や速度がこれに影響されることが多い。

※電気泳動の場合は、粒子を浮遊させ、電気を伝える役目を持つ「溶液」のことをいう。

 
多孔質膜 目に見えないくらいの小さな穴がたくさんあいた膜。「紙のように薄い、スポンジ」のイメージ。

 
支持体 媒質(緩衝液、電解質液)や粒子を支持する(支える)物のこと。
もっとくわしい説明

 
移動界面電気泳動法 界面は二つの相(たとえば水と油)の境界面のこと。溶液中の荷電粒子が電場の中で移動する状態を、界面の移動として観察する方法をいう7)。易動度の測定や高分子間の相互作用の追跡に向いている。

※泥水を容器に入れて放置すると、重力の作用によって粒子の粗い(重い)ものから沈み、層となる。移動界面電気泳動法は、これを重力ではなく電気力によって行う分析法とイメージするとよい。

 
支持体ゾーン電気泳動法 バンド状に支持体上に塗布した試料溶液に電場をかけることにより、各成分がバンド状に分離される7)。バンドに色が着いていれば分離の様子が見ただけでわかるし、バンドをひとつひとつ切り離せば電気的に違った性質のものを簡単にわけることができるため、分離精製に適しているが、支持体の性質に大きく影響される。


 
血清蛋白 血液の液体部分に含まれる蛋白質。


 
懸濁液 液体中に固体の微細粒子が分散したもの。にごり水。

 
夾雑物 ある物質中に異物として混合した状態で存在するもの、混在物

 
精製 物質を純粋にすること。

 
蛋白質 蛋白。生細胞の主要な成分をなす、窒素をふくむ有機高分子物質。生体の重要な構成成分であるとともに、酵素、ホルモンなど生理活性物質およびその母体として、生命現象にきわめて深い結びつきをもっている

 
体液 動物体内の液状成分(水分)の総称

 
脂質 生体に存在する”あぶら”状の物質の総称

 
蛋白分画 蛋白を電気泳動により「アルブミン(略号:Alb)」「αグロブリン(α)」「αグロブリン(α)」「βグロブリン(β)」「γグロブリン(γ)」の5つのフラクションに分離すること。セルロースアセテート膜による測定法がもっとも一般的である。

 
リポ蛋白分画 リポ蛋白は、血清脂質と蛋白の複合体のこと。リポ蛋白分画は、リポ蛋白を電気泳動などで詳しく分析する、「脂質の質の検査」。
もっとくわしい説明
かなりくわしい説明(英文)

 
脂質の検査 中性脂肪、コレステロール、リポタンパクなどがある。脂質代謝と密接な関係のある肝臓や甲状腺の障害、糖尿病などの発見の手がかりとなる。

 
酵素アイソザイム 同一個体中にあり、化学的には異なる蛋白質分子が、同じ化学反応を触媒するとき、この酵素群をこう呼ぶ

 
ヘモグロビン 脊椎動物の赤血球中に含まれ、酸素結合にあずかる複合蛋白質

※血色素ともいい、血液の赤い色のもとである。

 
異常ヘモグロビン 赤血球内ヘモグロビンの質的あるいは量的な異常を伴う遺伝性疾患の総称

 
臨床検査 人体または人体由来の検体(血液、尿など)を対象にした、診断・治療などのために行われる検査。
もっとくわしい説明

 
病態 その人の病気の状態、またはその病気がたどる一般的な経過

※臨床検査で「病態解析」というときの病態は、ある検査データを示すとき、なぜそういう値になるかの原因をいうことが多い。たとえば、尿蛋白の病態解析といえば、なぜ尿に蛋白が出てくるのかを解き明かし、その人の病気がなんであるか、どんな状態であるか(病気の始まりなのか、治りかけなのか、治るのか治らないのか、など)を判断することである。蛋白分画においては、5つの分画それぞれの増減の組み合わせをパターン化し、病態解析を行っている。
もっとくわしい説明

 
スクリーニング ふるいわけ検査。安くて簡単な検査で、病気の疑いのある人と異状のない人とをふるいわけること。

 
異常パターン 5つの分画それぞれの増減や、本来現れないはずの分画が現れたり、本来現れるべき分画が消えてしまっていたりする。どんなときにどんな変化が現れるかは、病態の分類について教えてくださいを参照のこと。

 
病態の分類 蛋白分画においては、5つの分画それぞれの増減の組み合わせをパターン化し、それがどんな病態のときに現れるかについて分類・解析を行っている。
もっとくわしい説明

 
精度管理 同じ血液を連続して測定したとき、別の日に測定したときでどのくらいバラツキがあるかなどを調べ、測定値の確からしさを管理すること。

 
標準化 いつ、どこの施設でどんな技師が測定しても同じ値が出るように、試薬や測定装置、測定手技などを統一すること。 

 
性状 色、にごり、におい、比重などのこと