Reversed CPC その2(2000年)(8)

【経過をおって(3)】

松尾 分かりました。ありがとうございました。別に誘導されている訳ではありませんで、本当に客観的に見られている時のコメントだと思います。まずネフローゼ症候群のあるいは甲状腺機能低下の原因から順番に行きたいと思います。まずネフローゼ症候群の原因はどうでしょうか、教科書的には、例えば糸球体腎炎、アミロイドーシスとか色々ありますね。甲状腺機能低下症はいかがですか。マイクロゾーム抗体200倍、サイログロブリン抗体は高くないですね。いかがですか。自己免疫疾患による甲状腺機能低下症と言っても良いでしょうか。マイクロゾーム抗体とか検査されている方いらっしゃいませんか?それから便潜血と腎機能についてのディスカッションをとおっしゃいましたけど、これ如何ですか。
山本 先生は95年位とおっしゃったんですが、私のところで考えてみると95年位だとやっているなという感じで、もう一つは尿酸が高いのは最初から8.0で高い状態があるので、顆粒円柱も出ていることを見ると腎機能障害がある。で例えば膠原病みたいなものというか、そういうあやしいのはRAとか好核抗体とか、DNAを測っているので、スクリーニング・・・きっと最初の時に何かを見ているんではないかというのが最初の印象です。
松尾 ネフローゼ症候群と甲状腺機能低下症の原因として、自己免疫疾患の可能性があるということですね。腎臓につきましては、櫻林先生の結論から言うと腎障害だろうということですね。消化管出血については潜血検査で読めるかどうか分からないということですね。
 それから指摘して頂いたのは、MRSAは膀胱炎だけれども、臨床的にはなかなか症状が出ないということおっしゃいました。GOT、GPTについては薬剤性の割には上昇がない。LDHの高値を議論していないとおっしゃいました。コメンティターの方いかがですか。
青木 γ-GTPとアルカリフォスファターゼが高くてGOT、GPTが上がってくる場合をもし考えるとしたら、肝胆道系の方がプライマリーやられてて、タイトジャンクション等が壊れて、血中に出てくると思います。逆に胆細胞を阻害するような場合に上がるように思いますので、上がらないのが気になるんですが、だから肝胆道系の障害ではないのではないでしょうか。
松尾 γ-GTPとアルフォスの上がり方が要するに肝臓の中ではない。そうすると。
青木 そこから先が分からないのです。LDHの506というのはわずかに上がっているのですが、これはちょっとアイソザイムのパターンが知りたいところです。
松尾 佐藤さんとか古川さん如何ですか?
佐藤 この辺については分かりません。アルカリフォスファターゼが約1.5倍になっていますがそれが分からないです。
松尾 他の方よろしいでしょうか。ということでLDHと肝臓のところは分からない、という結論で先生よろしいでしょうか。一度、櫻林先生に症例の解説をして頂いて、後でディスカッションしたいと思います。紙を配ってください。


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