第12回 特別講演「リウマチ、膠原病外来における血清M蛋白陽性例についての検討」(24)


【質疑応答(2)】

櫻林 先程の関節炎症例はcriteriaから言うと、関節の腫脹がないという話ですが、それが一つのポイントでしかもRFが出てないということと、そうしますと新しいcriteriaということは考えられないでしょうか。
伊藤 MGUS arthropathyといういうのが提唱されつつあります。かなりそういうのが言われていますので。
櫻林 先生の教室の下条教授は有名な方で、β2ミクログロブリンとアミロイドの話では先生の右に出る人はいないですが、そこいら辺の、BJPもちょっと出ていたような症例もあったように思いますので、関節炎との関連でアミロイドの関係はお考えになってないでしょうか。
伊藤 スライドで示しましたがやはりアミロイドが検出されている例があります。ヨーロッパの報告ですが、それが大事だと思います。それから先程言いましたが、実は蛋白尿が陽性で(全く関節と関係なしですね)、外来でフォローされている人で、実はこのMGUSだが、腎生検をするとアミロイドという方がうちで何例かいまして、そういう意味で新しい概念が出来つつあるんではないかと思います。
櫻林 そういう意味で注意して見ていると外来なんかにはそういう人がいるんではないかという気がしてきたんですね。
伊藤 ですからM蛋白疑いを最初は何をやっているんだと思いましたが、今度出てきたら皆まじめに免疫固定法出して、陽性になった人はそういう目で見ていくというのが非常に大事な事だと思います。
櫻林 「M蛋白やたら出すんじゃない」ではなくて、どんどん報告出してくれということですね。
伊藤 私のこの話が出てから変わってしまいました。勿論、教室検討会とかやりまして、腎班の他の医師もこれが出るとすぐオーダーを出すという、かなりエポックメイキングな事だったんです。
櫻林 非常に面白い。それから松井技師長に言いたいんですが、特定機能病院すなわち大学病院なんかでは、依頼が有ろうが無かろうが、M蛋白が出たら自動的に検査室で免疫電気泳動をやって下さいとお伝え下さい。



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