第12回 特別講演「リウマチ、膠原病外来における血清M蛋白陽性例についての検討」(10)


【MGUS?を合併した強皮症、間質性肺炎の1例】

MGUS?を合併した強皮症、間質性肺炎の1例。
54才、女性


1968年レイノー現象が出現。

1982年強皮症と診断。その後間質性肺炎を合併し、PSL 20mg/日、D-penicillamine 300mg/日を使用。指先部潰瘍をくりかえしていた。

1998年7月、M蛋白疑いを指摘され、血清免疫電気泳動を行ったが、陰性であった(CTE8000導入前には指摘なし)。

2000年6月、血清および尿免疫電気泳動を行ったところ、結成のM蛋白は陰性であったが、尿中にBence Jones 蛋白(κ)が検出された

血清のγglobulinf13.4%と低値。尿蛋白陰性。
 強皮症の方でもそういうことがありまして、この人も明かな強皮症ですけれども、レイノー現象が出て強皮症と診断されて、D-penicillamineという薬を使って指先潰瘍を繰り返す。98年にはM蛋白の疑いを指摘されて、免疫電気泳動を行ったが陰性でした。この時はCTE-8000が導入されたときでしたので、M蛋白の疑いを指摘された訳です。その前には指摘はありませんでした。2000年にもう一回やろうということでやってみたら、血清にはでませんでしたが、尿中にはBJPが出ました。血清のγ-globulinは低いし、尿蛋白は普通の検査では陰性で、強皮症でもこんな人がいます。



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