第12回 特別講演「リウマチ、膠原病外来における血清M蛋白陽性例についての検討」(8)


【MGUSによるarthropathyと考えられた5例(2)】


MGUSによるarthropathyと考えられた5例 -その2-


 γgl%M蛋白免疫gl
抑制
尿中
BJP
ANARNPSm骨XP骨髄
穿刺
CTE8000
導入前

1.17.0IgG(κ)np判明せず
2.18.0IgG(κ)npnp判明
3.18.6IgG(κ)np判明せず
4.23.9IgG(κ,λ)npnp判明
5.15.7IgG(λ)np判明
 この人達は実はγ−globulinはそんなに高くないですが、M蛋白はしっかり出てまして他の免疫グロブリンの抑制はなく、BJPは出たりでなかったりです。後で言いますが monoclonal gammopathy があると、自己抗体が陽性にとられることがあるんですが、それは調べましたが特にありませんでした。それから骨のレントゲンをとりましたが、勿論パンチドアウトリージョンなんかなくて、骨髄穿刺は血液内科にお願いして最初はやっていましたが、血液内科の方が段々、こういう病態が分かってきましたら、もう痛い検査はやらなくていいんじゃないのということで、最近は骨髄穿刺をしない人が多いです。

 ここでまた問題なんですがこのうちの2例は常光のシステムを導入する前は、M蛋白の疑いは付いて来ませんでしたので、診断病名は心身症となってしまう、かわいそうですね。「先生やっぱりいたいんだよ」でも「炎症所見ないよ、関節も腫れてないよ」ということで、さんざんぐちゃぐちゃ、結構あちこちの病院で冷たくあしらわれて、心身症内科とか、精神科とかに回されてしまいます。ところがこれで判明すればりっぱな病名がついて、患者さんが「ああこういう病態だったんだ」ということが分かって、この患者さんが痛いとおっしゃっていたのは本当なんだなというのが分かりますので、本当に大事なことだと思います。



      もくじに戻る