第12回 特別講演「リウマチ、膠原病外来における血清M蛋白陽性例についての検討」(1)


【はじめに】

 櫻林先生ご紹介ありがとうございました。膠原病、リウマチ、腎臓というのが専門です。新潟大第二内科の伊藤です。
 私は、M蛋白は全くの門外漢でして、専門の先生方が多数いらっしゃって、しかも現場で測定をされている方々の前で話すのは非常に緊張しますが、高校時代、私はボクシングをやっておりまして、今日はグローブとヘッドギャを付けて、相撲の土俵で闘うような異種格闘技戦、違うところへ出ていって闘うという感じで、本当に電気泳動は素人ですのでお許し下さい。


伊藤 聡
1995年5月から1997年12月まで米国FDAに留学。
1998年1月から外来診療に復帰。

”やたらとM蛋白疑いをつけてくる。検査科はいったいどうなっているんだ?”

同僚がM蛋白同定を提出したところ、ピークのなさそうな患者もM蛋白陽性であった。

これはどうなっているのだ?検査科に直接かけあってみよう。
 先程ご紹介ありましたが95年からFDA(Food and Drag Adminstration)、日本でいう厚生省みたいなところの基礎研究の機関に行っていました。キャンパスはNIHにあったのですが、帰って来まして外来に復帰しまして、外来患者さんを見た訳です。ところがやたらと報告書にM蛋白の疑いというのが付いてくる。これが留学前と違うところです。検査科は何をやっているんだと一人でいらいらしていたんですが、ここまでだったら今日、私がここに来ることはなかったです。そうしたら、たまたま、まじめな同僚がM蛋白同定を提出したところ、ピークのなさそうな患者も陽性ですという報告が来た訳です。ここまででも今日の話はなかったのですが、「これはいったいどういうことでしょうか」と検査科に私が直接乗り込んでいって、今日のストーリが生まれた訳です。

 



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