![]() | 次に、標準化の応用について、具体例を挙げてご説明致します。 私共の標準化成績に依れば、わが国の試薬メーカーと臨床検査室を対象とした測定精度の現状は、次のようになっております。先ず、総コレステロールでは、延べ22社の試薬メーカー(調査期間:1996年1月から1998年1月までの2年1ヶ月間) が計90の分析システム(ここに1分析システムとは、試薬メーカーの分析室で標準化の対象とされた{キャリブレーターと試薬と分析装置}による一系列の組み合わせを意味する)で挑戦した場合、その内の85分析システムが標準化の認定を受けました。標準化達成率は94.4%であります。この調査から、標準化を達成した試薬メーカーの平均的な測定精度は、正確度が+0.13%と目標値よりもやや高く、精密度が変動係数で0.94%、総合誤差は2.86%と判明致しました。総合誤差が 2.86%であるということは、高脂血症診療ガイドラインにおける総コレステロールの適正域と境界域の診断基準値とされる200mg/dL の濃度で、測定上避けられない誤差の大きさは5.7mg/dLと計算されます。一方、2回以上の重複標準化を入れて計算しておりますが、284の臨床検査室(調査期間:1994年10月から1999年4月までの4年6ヶ月間)が計554の分析システムでチャレンジした場合、その内の490の分析システムが標準化に成功しております。標準化達成率は88.4%でありました。 |