第11回 特別講演「脂質の国際標準化(測定精度の現状と標準化の効果)」(15)


【判定基準(1)】

総コレステロールの評価基準/判定基準

対象TotalError
(%)
Accuracy
Bias(%)
Precision
CV(%)
CRMLN
基準分析室
-±1%2%
*試薬メーカー
臨床検査室
8.9%±3%3%
CRMLN:Cholesterol Reference Method Laboratory Network
*:Correlation coefficient r≧0.975 , No outliers (外れ値)
 最後に、第五の要件として、総コレステロールとHDLコレステロールとLDLコレステロールの判定基準についてご説明致します。
 スライドの表の上段がCRMLNを構成する私共の基準分析室に求められる評価基準、表の下段は試薬メーカーや臨床検査室に求められる判定基準を示しております。下段の判定基準は、米国のNational Cholesterol Education Program(NCEP)の勧告案に準拠したものであります。試薬メーカーと臨床検査室に適用される判定基準は、総コレステロールでは正確度がAbell-Kendall法の目標値の±3%以内、精密度は変動係数で3%以下であります。従いまして、正確度と精密度を合算した総合誤差(TE, Total Error)の許容範囲は8.9%以下となります。



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