第10回 リレー講演より「日常遭遇する特異検体の解析」(2)


症例(51歳・男性) −来院時検査所見−

RBC(350-510)533×104/mm3
Hb(10.9-16.2)16.6g/dL
Plt(12.0-30.0)37.9×104/mm3
WBC(3500-7900)52,300/mm3
 
T.Bil(0.3-1.1)0.8mg/dL
AST(10-35)21IU/L
ALT(6-30)30IU/L
BUN(8-22)14.9mg/dL
UA(3.7-6.4)6.1mg/dL
CRN(0.5-1.1)0.9mg/dL
 
Na(142-149)144mEq/L
K(3.7-4.8)4.7mEq/L
Ca(8.6-10.1)11.0mg/dL
T-CHO(135-233)237mg/dL
GLU(74-115)125mg/dL
 
RF(<20)(<20) 
BJP(-)(-) 
IgA(150-270)174mg/dL
IgG(950-1550)2,010mg/dL
IgM(75-175)1,080mg/dL
 まず、最初の症例は51歳、男性です。3年前(1995年9月)、難治性の結核性胸膜炎に対し開胸手術を受け、術前術後ともに白血球数が30,000/μLもあることから紹介され来院した患者です。スライドは、来院時の主な検査成績です。貧血は認められませんでしたが、血小板の軽度増加 (379,000/μL)と白血球の異常増多(52,300/μL)が観察されました。その後、白血球数は7,000〜60,000と変動しましたが、白血球の形態には特に異常は認められませんでした。
 免疫グロブリンの定量ではIgG(2,010mg/dL)は軽度増加、IgM(1,080mg/dL)は高値を示しました。



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