第10回 記念講演「DRG/PPSとELP診断技術」(9)
米国に於ける社会保障制度(6)
基本的には今言った民間保険会社によるManaged Careが基本ですけれども、その中身というのは年々少しづつ変わっています。こういうような背景がありまして、先ほど言ったようにDRGを適用しますと検査料という項目はなくなります。今、日本でやっている検査実施料という項目は収支決算簿から消えてしまうわけです。いくら検査することによって、いくら収入を上げたかということは全然収支決算簿には載りません。そのかわり検査室はこれだけ検査技師、事務員、看護婦それから人件費がかかりましたよ、これだけ消耗品費がかかりましたよ、これだけ装置の設備にかかりましたよ、というお金を使う部分だけが収支決算簿に出てきて、いくら収益を上げているかということは全く出なくなってしまうということであります。
そこでこういうアメリカのやり方が一応消費者、医師の間に大きな不満を残して自然淘汰的に改良はされていますが、大きな医療費の抑制につながったことは事実です。そこで各国でこれをそのまま導入するということよりもそれを参考にして、なんとかそれぞれの先進国のやり方を考えているということです。
前 次 もくじに戻る