| さらに1980年代になりますと、政府が後押ししたものですから急速にHMOが普及しまして、拡大していきました。 ところが1983年になりますとそれでも政府管掌の保険負担が大きくなったので1983年ついに非常にドラステックな医療改革を行ったのであります。それがDRG/PPSというシステムであります。どういうことかというと、383の病態または病名に分類致しまして、それぞれの病名・病態に決まった支払額を設定する。例えば急性肺炎の患者が病院に入院したら、その患者一人については、例えば300ドルしか払いませんよ、あと何を検査しても、何日病院に入っていても、どういう薬を使っても一切かまいませんというやりかたです。ですから病院ではできるだけ入院日数を減らし、薬を減らし、検査をやらないようにということで医療費の削減にかなりのインパクトを与えたことは事実です。 アメリカの保険支払の基本は、医師と入院費とに分かれてまして、医師には直接、医師の診察料として支払われますけれども、他の診療費は入院費として支払われます。ところが最初入院の検査料は全部病院の収入に入るということでスタートしたものですから、検査に携わる医師、特に臨床検査医または病理医といった医師が全く収入がなくなってしまうということになりました。そこで法廷闘争まで持ち込みましてついに一部の医学的な判断を伴う検査については医師の費用が認められました。 |