第10回 記念講演「DRG/PPSとELP診断技術」(3)


DRG/PPSとは

DRG/PPSとは そこで今日のお話はDRG/PPSとELP診断技術ということであります。皆さんご承知だと思いますが、DRG/PPSとは英語でDiagnosis-Related Groups/Prospective Payment Systemですが日本語に訳しますと「診断関連群による包括定額支払方式」で保険診療報酬を支払う一つのやり方として、現在新しく日本政府も真剣に取り組んでいるやり方の一つです。その背景には後ほど申し上げますが、医療への経済的な圧迫が世界中で進みまして、医療もたいへん厳しい状況に陥っています。それをいかに解決するかということで考え出されてきたのがこの方式であります。
 最初これを導入したのは米国でありまして、1983年、既に15年を経過していますが、そのときはたいへんな話題になりまして、非常に大きな変革を医療にもたらしたものであります。しかし我国と米国では医療の提供システムが全く異なりますので、ということは保険診療という立場からすると明かな違いがありますのでアメリカ式のDRGをそのまま導入するということはできません。

 そこで現在討議されているのが日本的なDRGをどのように導入するかということであります。そこで米国の医療制度がどのように変遷してきたかを眺めてみて、我国と根本的にどこが違うのか、その違いを踏まえて、尚かつ総医療費の増加率を少なくするためどうしたらよいのか。総医療費の額は年々増加するに決まってますから、今年よりも次の年に医療費を減らそうなんてことできっこありません。ただ年々増加する割合を押さえようということであります。そこでまずアメリカが手本になるかどうか分かりませんけれども参考にされておりますので米国のやり方、あるいは歩んできた過去を少し振り返ってみたいと思います。




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