第10回 記念講演「DRG/PPSとELP診断技術」(19)


DRGと臨床検査(4)

 そこでこういう状況がもう2年後を視野に入れて活発に今準備されている訳です。検査については関連することだけ今日申し上げましたけど。そこでそれに対応してどういうふうに検査を考えて行ったら良いか、まずDRGを確定するためのプロセスは問診と診察です。基本的検査をやってまず暫定的な診断名を付けます。そして病名・病態の診断ができたところで治療方針が決定され、経過観察し、途中で必要に応じた検査を組み合わせながら経過を観察し、どういう転機をとるかということになります。
 そこで今後血清蛋白分画検査がどういう位置づけになって欲しいかということをここで書いています。病態スクリーニングのための自動セルロースアセテート膜電気泳動法による血清蛋白分画観察。これは以前にも私はお話する機会がありましたけれども、たった一滴の血清でわずか30分程度の時間でできる一つの検査で、これほどバラエティに富んだ病態を篩い分けることのできる検査は他にない訳です。 例えば白血球数をはかりましたよ、あるいはHCV抗体を測りましたよ、といっても非常に特殊な部分だけをねらっている訳です。しかし我々が病名を診断するためには患者さんの全体の身体の状況がどうなっているかということをまず把握しておく必要がある訳です。

 そこで私は今までずーっとこの検査に入ってからやってきた血清蛋白の研究を通してこれほど病態スクリーニングとしての有用な検査はないので、まず問診、診察、基本的検査をやります。実をいうと、臨床病理学会の基本的検査というなかで2つの分かれてまして、外来でどういう検査をやるか、入院した場合に最小限どういう検査をやったらいいのか提案している訳です。その中には血清蛋白分画が入っているんですけれども、それをやって患者の状態を的確に掴んで、そしてそれぞれの必要な、今度はもう少し診断をしぼる検査を組み合わせていくというようなことが最も効率的ではないかと考えています。私が医師として臨床を進めていくとすると是非こういう使い方をしたいと思っています。



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