第10回 記念講演「DRG/PPSとELP診断技術」(20)
DRGと臨床検査(5)
今後、臨床検査にとって厳しい状況がつづく訳ですけれども、しかし検査室の効率性を上げるというためには、2つの観点があります。(1)経済的な効率性を上げることと (2)診断学的(医学的)な効率性を上げる。2つあるでしょう。経済的な効率性を上げるだけでは当然民間検査センターに競争で勝つことができない。向こうの方がスケールメリットがあります。検査室は一日100件しかやっていないのに、向こうは一日に3000検体とか夜通しやっているわけですから、スケールメリットを考えたら絶対に競争は出来ない。
そこで今後はやはり経済的な効率性を上げるためには民間検査センターとどういうふうに住み分けをするかということが一つあります。勿論検査室のマネージメント、管理運営をきちんとやる必要はあるわけですが、それと同時にスケールメリットということを考えて、いかに両方が分担して適切な効率性をあげるかということだと思います。
もう一つは診断学的な効率性をあげること、これはそれぞれの医療機関に非常に独特な部門、特有な部門ですからこの面でもぜひこれから工夫をしていく必要がある。コンピュターシステムを導入して、新しい時代に対応する。そして診断支援サービスを強化することで医療機関の検査室の充実を計る。Customer Satisfactionを増加していく、あるいは改善して行く必要があるだろうと思います。
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