第10回 記念講演「DRG/PPSとELP診断技術」(18)
DRGと臨床検査(3)
今度、櫻林先生が会長になりまして新しい時代に入りましたので、また関口先生もたまたまアメリカへ帰られまして、たいへん残念なんですが亡くなられましたけども、現在渡辺清明教授がこの小委員長を引き継いで、作業を進めようということです。実はDRGを導入された時に、この患者さんは急性肝炎ですよ、急性ウィルス性肝炎ですよ、あるいはC型肝炎ですよというふうに診断をするためには最小限度の証拠がいります。お医者さんから言われてきた診断名をそのまま鵜呑みにして、もし保険を払っていたらたいへんなことになりますでしょう。だからこれはたしかにこういう病気ですという証拠がいります。それをどうするかということも大問題なのです。それが公表されるのかあるいはどうなのかは分かりませんが、少なくともこの病気についてはこういう検査が最小限度必要ですよということを念頭に入れて、現在厚生省の研究班と臨床病理学会の委員会との合同作業で研究する体制がスタートしています。
ですから将来は検査がまったくなくなるわけではなくて、病気であるということを診断するための最小限度、この検査をやってなくてはこの病気ですよ、とは認められない。C型肝炎という以上はHCVの抗体検査は少なくともやっていなくてはならない。その抗体検査が感度の悪いやつで良いのかあるいは最も感度の良いのを使うべきなのかその判断もこれからして行かねばなりません。ですからDRGを導入する前に、日本で例えば241なら241の病気が考えられるとすると、その診断名をバックアップする証拠というものが必要になる訳です。
前 次 もくじに戻る