第9回 技術講座「遺伝子診断のいろは」(4)


【基礎知識】

III.遺伝子の構造

 DNA上1つの蛋白をコードする領域を遺伝子と呼び、mRNAがそこから合成されます。真核細胞の遺伝子の構造を図に示します。RNAポリメラーゼはDNA上のプロモーター領域を認識し、RNA合成を開始します。hnRNAが合成された後、イントロン部分がとり除かれエクソンから成るmRNAが作られ蛋白合成に利用されます。エクソンは幾つもあります。エクソンが30から40またそれ以上のもあります。
 mRNAの全ての領域が蛋白質をコードしているかと言ったらば、違います。mRNAの中に、AUG、つまり、メチオニンをコードするコドンがあり、そのうちの一つから蛋白合成が始まり、終始コドンまでアミノ酸が付加していきます。この蛋白をコードしている領域をオープンリーディングフレームと呼びます。もしオープンリーディングフレーム内で塩基置換がおこり、アミノ酸置換がおこりますと、違った形の蛋白産物ができあがりますし、また塩基置換により、終止コドンができあがるとそこで蛋白合成をやめてしまいます。



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