第8回 技術講座「血清蛋白像から何がわかるか」(30)


質疑応答

金光 先生どうもありがとうございました。
 せっかくの機会でございますのでご質問ございましたらお願いしたいと思います。芝先生いかがでしょうか。
 医科歯科大学の芝でございます。河合先生には25〜26年前に電気泳動学会の講習会の講師に御推せん頂いて以来、御教え頂いております。本当にありがとうございました。感謝いたしております。今日はしみじみ先生のお話を伺いまして本当にすごい先生だということをあらためて感じた次第です。先生のお書きになりました血漿蛋白は私もずっと部屋において、ことあるごとにみております。先生にお願いですけれども、もし来年4月以降お時間が出来ましたら、是非血漿蛋白の新しいバージョンをお書き頂ければと思います。いかがですか先生。
河合 10日程前にブラジルに行きましたらスペイン語版が英語版の翻訳として出ていた訳ですけれども、催促されまして、私は現役引きますから昔のような時間ありませんから、時間というか力がありませんのでこのグループの方々のお力添いを頂いて何とかまとめて見たいと思います。
 今、世界中をみても血漿蛋白の本が出ていませんね。それから藤田清貴さんですけれど何で我々のグループに顔突っ込んでいるのだといいますと彼が「臨床検査」に最初の学術論文を投稿されまして、まだ若い時ですが、それで私は臨床検査の編集主幹をやってますので、それをサポート致しまして、どうも内容は面白いものなんだけれど論文になってないなということでまったく知らない方だったんですが論文が真っ赤になるほど手をいれまして返しました。それに奮起しまして、藤田さんは論文の書き方をマスターし、また途中から自治医大の研究室に入られて、櫻林教授の指導で今日に到っております。
 色々昔話をすると、今、芝先生に頼んだのは、おっしゃいますように電気泳動学会の講習会は3日間泊まり込みで講師もやりますんでその間の交流がたいへん大きな結果を生むと思います。色々ありがとうございます。
金光 藤田さん一言。
河合 ちょっと良い言葉じゃなかったですけれども。
藤田 先生からこのような形でお言葉をいただけるとは思ってもいませんでしたので、本当に恐縮いたしております。先生に出会わなければ、このような免疫学の道に入っていなかったような気がします。当初、血液の形態学が好きで勉強していたのですが、ある日、日常の電気泳動検査でカギ型アルブミンに遭遇し、原因についていろいろ実験を行いその論文を思いきって河合先生に送ってみたわけです。先生は雲の上のような方でありましたが、数日後、校閲された論文と暖かいお手紙が送られてきまして、これが大きな励みとなり、この道に入るきっかけとなりました。
 会場の皆さんも、異常検体に遭遇した場合は、そのまま放置するのではなく、思いきって専門の先生方にお手紙を書き相談するとか、前向きにその検体に取り組んでいただきたいと思います。もしかすれば、その出合が人生を大きく左右することにもなるかもしれません。先生、本当にありがとうございました。
金光 それでは時間も参りましたようです。これで技術講座を終わらせて頂きますけれど河合先生、本日は誠に感慨深いお話ありがとうございました。今日の先生のお話を明日からの私達の仕事の原動力として頑張りたいと思います。お体に充分お気を付けられまして、一層のご発展をお祈りさせて頂きます。
 本日は誠にありがとうございました。



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