第8回 技術講座「血清蛋白像から何がわかるか」(22)


こどものγ分画(3)

こどものγ分画相対易動度 それを根気よく何百例という症例について小児のものをグラフ用紙から計算してくれたのは橋本スミ子さんでありまして、これをたくさんの症例で見てみますとγ分画のモード的移動度がこういうふうに年齢によって変わってきます。大体10才位まで学童期までには大人の値に近くなってくる。生まれたときも母親のIgGですから同じですが、1才前後は免疫グロブリンを産生している免疫組織がまだ発育状態の途中で非常に不安定な状態にあることが証明されて、1才前後の患者さんでは後よりにγ分画のピークが寄っていることが数量的に確認されました。後ほどIgGのサブクラスが測れるようになりましたところIgGとIgGのサブクラスが先に濃度が高くなる。発達の過程で。偶数のIgGとIgGサブクラスは2才〜4才前後までなかなか正常の値に達しないという同じIgGでもサブクラスによって成長の過程が違うということが証明されまして、この事実が確認された訳であります。



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