第8回 技術講座「血清蛋白像から何がわかるか」(19)


相対易動度の数値化


相対易動度の数値化

  1. α分画とネフローゼ症候群

  2. γ分画のモード的易動度とIgG

  3. M蛋白帯(IgG)の易動度分布
     骨髄腫でslow-γ寄り
 
 M蛋白の相対移動度、(濾紙電気泳動時代ですね)を調べた訳です。IgAはだいたいβ分画を中心にIgMマクログロブリンもだいたいこの辺に、IgG型のものはこの辺にということが分かります。当時医局員山田助手が数百例についてこの方法で、M蛋白の相対移動度を求めまして、良性のM蛋白血漿では正常のγ分画の形と同じ頻度、度数分布を示す。それで骨髄腫の場合むしろスローγよりに山が寄っているということを報告して、学位を得たということがあります。そしてさらに後ほどIgGのサブクラスが測定できるようになりました後に、IgG型とIgG型の奇数のサブクラスはスローγよりである頻度が高いということも段々裏付ける形となりました。



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