第8回 技術講座「血清蛋白像から何がわかるか」(10)


β−γブリヂング

 分画パターンを観察するについては最初に問題にされたのはβ−γブリヂングというβとγの分画が分かれなくなる変化で、それがIg AとIg Mの免疫グロブリンが幅広く増加することと関連があるということを証明致しました。次に当時は抗血清が非常に高くて手に入らなかったのです。例えばIg Aに特異的な抗血清、Ig Mに特異的な抗血清、色々買おうとしても非常に高くてルーチン検査にはとても使うことが出来ませんでしたので何とかM蛋白の中で分けられるものはないだろうかと、工夫しました。薬局に行きまして相談致しましてリバノールという黄色い消毒薬を貰ってきまして、それを使ったところ少なくてもIg GのM蛋白だけははっきり見分けられるということが分かりました。もう一つ日大でセルロースアセテートをどんどんやっているうちに波形帯が問題になって来ました。



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