ELP診断技術フォーラムの記録

第8回 技術講座

血清蛋白像から何がわかるか


自治医科大学 河合忠

司会 倉敷中央病院臨床検査科 金光 房江


 それでは早速ですが今日の技術講座「血清蛋白像から何が判るか」というタイトルで自治医科大学教授、本フォーラムの顧問をして頂いております河合忠先生にご講演をお願い致します。
 その前に河合先生のご紹介を櫻林先生にお願い致します。


 河合先生はあまりに有名なので、改めて御紹介申上げるのはおこがましい話ですが、今まで日本臨床病理学会の中でどういうことをやってこられたか、あるいは広く日本の医療のなかでどのような仕事をされてこられたかをご紹介をさせて頂きます。
 河合先生はご承知のように日本臨床病理学会の中で30代から理事になられて、その後学会の会長をおやりになったことはご承知の通りですがその中で臨床検査の基礎をお作りになったということと、それをさらに発展させて、現在、新しい形の臨床検査というものを定着させてきたという非常に大きな功績を持っておられます。
 その間に文部省とか厚生省とか、或いは日本医師会の仕事もやってこられ、特に日本医師会ではコントロールサーベイの委員長をおやりになっていた訳ですが、そういうことをやってきた非常に数少ない先生であります。現在でもJCCLS(日本臨床検査標準協会)の会長に今度就任されまして、日本の臨床検査の標準化という問題も中心的に取組んでおられます。或いは、日本電気泳動学会を中心に活躍されて血清蛋白分画を日本中に広めた功績をお持ちです。ご承知のようにアメリカとかヨーロッパを見てみますとわかりますが、蛋白分画は世界中で日本が一番検査している訳で、河合先生のおかげなのです。 
 世界的にはどうかと云いますと、WASP(世界臨床病理学会義)の事務局長を長いことおやりになってその後、おそらくアジアでは最初で最後だろうと思われる会長をおやりになっております。現在でもWASPの理事をおやりになっておりまして世界中を駆け回っておられます。
 もう一つは、NCCLS(アメリカ臨床検査標準委員会)の外国人としては初めてのメンバーになったということで臨床検査に関してはアジア・太平洋全体はもちろんのこと世界的に重要な人物になっております。
 学問的には、血漿蛋白を中心に研究を進めてこられましたが、今では遺伝子の方まで分野を広げておりまして、何でもやってしまうということであります。先生はこの「診断技術フォーラム」を作る原動力になっていただいた訳でありますが、それは先生が若い頃に「血漿蛋白」という名著を出され、このことが河合先生の名を世界中で有名にせしめた本でありますが、今日は、このフォーラムの名付け親になって頂いた先生に、専門分野である血漿蛋白の話をお聞きすることになりました。先生よろしくお願いします。


 櫻林先生有り難うございました。
 それでは河合先生よろしくお願い致します。



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