第7回 報告「血清蛋白分画におけるReference Interval(基準範囲)の設定」(12)

12.結果 個人の変動幅(1)


個体別変動幅
 
 次に、個人の変動幅をお示しします。これは、埼玉県臨床衛生検査技師会臨床化学班大門さんが今回の自動化学会で発表されたものをお借りしたものです。ボランティア30名の方に毎週1回、10週、10回測定したデータです。
 例えば、Albでしたら30人それぞれの方の10回測定分の平均値±2SDを示しています。
 正常値に比べたら、個人の基準範囲、正常値というのは、非常に狭い範囲にある、ということを示しています。

 ここで覚えておいていただきたいのは、γというのは、意外と狭い範囲にあるということです。それから、βも狭い。次にAlbが続く、ということです。血清蛋白分画というのは動きにくいデータ、動きやすいデータがあるということです。この研究班の意見は血清蛋白分画の測定精度は個人の変動が見られると、極めて狭い範囲に入らなければいけないというのが、自動化学会の主張であったようにうかがっております。
 いわゆる基準範囲というのは、あくまでも集団で求めたものですから、個人の病気を見るためには、こういうことを考えながら見なければいけない。経時的なものを見ながら、その人の病態解析に使おうとされておられるようです。



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