タンパクはSDSと複合体を作ると、タンパク本来の荷電を失い、SDSのもつ負荷電によって、負の一様な荷電をおびることになる。SDSによって多くのタンパクが荷電密度、形状などが一定の蛋白複合体になる。 SDSとはsodium dodecyl sulfateの略で、陰イオン性界面活性剤である。別名ラウリル硫酸ナトリウムという。 | PAGというと、SDS−PAGEというようにこの泳動法は非常にポピュラーになってきました。検査室でも尿蛋白の分析に糸球体性タンパク、尿細管性タンパクの判別に使っています。SDSというのはSodium Dodecyl Sulfateの略で陰イオン性界面活性剤です。別名、ラウリル硫酸ナトリウムです。ゲルを作る時にSDSを入れますが、そうするとSDSによって多くの蛋白が荷電密度、形状などが一定のタンパク複合体になります。 |
分子ふるい効果のあるポリアクリルアミドゲルを支持体として泳動すると、タンパクの移動度はポリペプチドの体積(半径)だけに比例することになり、体積と分子量の間に比例関係があることから、ある範囲内の分子量と移動度の間には直線関係が見出されることになる。 | 分子ふるい効果のあるPAGで泳動しますと、蛋白の移動度と分子量の間には直線関係が見出されます。この方法が行なわれる前に蛋白の分子量を求めるには超遠心法しかなかったのですが、このSDS−PAGEが進む事によって蛋白の分子量測定が非常に進みました。私は昭和53年に中尾真先生の所で学位を取ったのですが、始めてのテーマが赤血球の膜タンパクの分析でした。その赤血球の膜タンパクというのは、今迄の界面活性剤では全然溶けなかったのです。ところがSDSに非常によく溶けるという事から、赤血球膜蛋白の分析が非常に進みました。不溶性のタンパクがこの方法によって、いろいろと判るようになってきました。 |