第2回 特別講演「免疫グロブリン異常症」(15)


15.波形帯の形成

 もう1つ奇妙な現象が見られました。特にセパラックスで、このように波形帯wavy pattern波形ということで、波形帯と名付けたわけです。
 何でこういうことが起きるかというとをいろいろ随分年月をかけて調べました。大部分のM蛋白がこいうふうに幅狭く、アルブミンとほぼ同じようなバンドを示すわけです。このwavy patternを示すには、2つの要素が合致しなければいけません。1つは支持体の性状と、もう1つは分離されるM蛋白の性質、これがちょうどマッチすると、こういうきれいなwavy patternというのが出るわけです。

 もちろん現在のSP膜或はセパラックスSでは、こういう傾向がなくなりました。



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