第2回 特別講演「免疫グロブリン異常症」(13)


13.IgG型M蛋白血症におけるM蛋白帯の相対易動度


 そうすると、この上のほうが良性または本態性M蛋白血症の分布です。この縦軸が症例数です。この1というのがβ分画の1ということになります。
 そうすると良性のM蛋白血症は実に正常の免疫グロブリンの型とそっくりです。ほぼということは良性の蛋白血症というのは、正常の免疫グロブリン分布とほぼ同じ頻度で出てる、あまり大した免疫グロブリン産生母地の病的な異常がそうひとしくないということが判ります。
 ところが、多発性骨髄腫の場合には、ぐうっとslow‐γよりに頻度が高くなっています。こういうことで、骨髄腫特にこれはIgGの場合にこういうことが言えるわけですが、slow−γ寄りに出るM蛋白は悪性の傾向が強いということがわかります。



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