第2回 特別講演「免疫グロブリン異常症」(11)


11.M蛋白の相対的易動度


 次に、これからそのようにして電気泳動ならびに免疫電気泳動でM蛋白が同定されるわけですが、それがどのようにパターン或は臨床に結びつくかを簡単に話します。
 私は20数年前にM蛋白の易動度によって、なにか臨床的な意味付けができないだろうかと考え、最初にやったのが、大きな方眼紙にdensitogramを害かせ、その方眼紙の目盛りを数えると大体易動度がわかったんですが、そういうふうにろ紙の場合ですと、血清を塗布した位置を縦にして、ここに斜めの線にアルブミンの線をかきまして、電気泳動の条件によって易動度がその日その日で変わりますから、それでここに塗布点とアルブミンの位置を合わせてM蛋白がどこに流れるかを調べたのが、最初のM蛋白の相対的易動度の研究の走りです。

 そうすると、ここにごらんになるように白丸がIgG、黒丸がIgA、それからこの二重丸がMacroglobulin血症、プラスがBence Jones蛋白ということで、ほぼ正常の免疫グロブリン成分の易動度に近い分布をしたわけです。



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