第1回 特別講演「病態スクリーニング検査としての血清蛋白分画の意義」(18)



18.抗体欠乏症の成因


抗体欠乏症の成因

  1. Pre−B cellの欠損
  2. B cellの欠損
  3. B cellの欠陥
     a.分化障害
     b.Ig分泌障害
  4. Hyper T cellの欠陥
  5. Suppressor T cellの欠陥
  6. Suppressor Macrophageの増強
  7. 産生Ig喪失更新
     a.抗Ig自己抗体 IgA
     b.異化亢進 Wiskott-Aldrich症候群
     c.体外喪失 Nephrosis、PLGE、etc.

     
 免疫グロブリン欠乏というのは、先程言いましたように、血清蛋白分画だけで捕えられるのは、IgG欠乏症に殆ど限られていて、最終的にはG、A、Mそして或る場合にはD、IgEまで定量して、初めて抗体の欠乏症候群の鑑別診断が可能です。しかも更に抗体活性の定量を加えて、その抗体欠乏症候群の診断が決まるのですが、大部分はIgGの欠乏を伴っているもの、少なくとも免疫グロブリン欠乏症の内の八割強の症例は、IgGの欠乏を伴っています。その部分は血清蛋白分画でもってスクリーニング出来る訳です。抗体欠乏症が疑われる時には、現在の段階ではこのように細胞レベル、特に免疫細胞の検査によって、どういう所に原因があるかという検査へ進むという事になります。



      講演録に戻る