第1回 特別講演「病態スクリーニング検査としての血清蛋白分画の意義」(8)



8.γ分画のモード的易動度

 次にγ分画のモード的易動度、これはIgGのclonal distributionを表現します。それからM蛋白帯の易動度というのは、やはり意味があります。それぞれの分画の一番高いモードも比較します。アルブミン分画とβ分画(トランスフェリンが欠損しない限り)は余り動かない分画です。そこでアルブミンとβ分画の間を1.00として、これを基準にしてα1、α2、γ分画のモード的易動度を検討した訳です。



 そうしますと、γ分画の一番高い所の位置が年令的にかなり動きます。パターンを眺めていて、ちょっと変だ、乳幼児はおかしいと思ったのですが、これを数量的に表す為に、この7分画のモード的易動度を求めたら、こういう事になった訳です。横軸は年令です。縦軸にモード的易動度の分布を取っています。生後一年位の間は、母親のIgGを受けついでいますから、全く成人と同じです。又学童期に入るとほぼ安定してさます。どういう事かといいますと、生後一本頃はこのγ分画のモードが後ろ寄りになる、スロー寄りに動いているという事です。
年齢別のγ分画のモード的易動度の推移



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