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支持体電気泳動法では、先程来のシンポジウムでもお話が有りました様に、電気泳動Electrophreisisという現象だけで分けているのではありませんので、電気滲透現象Electroendosmosisともう一つは、支持体と蛋白質との干渉Interactionの三つの原理が複雑に絡みあって分離される訳です。ただセア膜電気泳動法の分画の場合には、この(3)の分子ふるい効果というのが大変少ない訳です。少なくとも大きな分子と小さな分子を分ける程はポロシティ(穴)は小さくない。これがポリアクリルアマイドゲル電気泳動になると分子ふるい効果が非常に大きく出てくるという訳です。幸いセア膜電気泳動法の場合には、蛋白の吸着が非常に少ないという特徴があり、それだけ蛋白分画が非常にきれいに出る。それで益々近代的な検査として登場した訳です。 |
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その場合、臨床的な病態と検査結果とを組合わせて考える場合に基本的に心掛けておくことが三つあります。 ただ数値を見れば、それで病態が判るというものではありませんで、まず第一にいろんな人為的な影響が検査データに現れてきます。先程お話しました検査法の標準化、勿論しなければなりません。膜が違い、技術が異なっていると、どうしても値が変ってきますので、現段階ではそれぞれの検査室の条件で正常値というものを求めておく事が望ましい訳です。それから採血及び検体保存の上で色んな影響が出てまいります。時間の関係で深くは申しませんがご承知の通りであります。 |