第 7 回発表・抄録番号 1

セパラックスSP膜において、γ−分画より陰極側に出現したM−蛋白様分画の検討(その1) (9)

【症例へのコメント(1)】
  • (司会)セパラックスSP膜でslow−γ位にMバンド様のものが出現したが、免疫電気泳動をやってもよくわからなかった。そして、セ・ア膜の種類を変えても、セパラックスとセパラックスSではよくわからなかったという症例です。こういう症例に遭遇した場合、一体どうやってこれを報告したらいいんだろうと、実際悩むところだと思います。そういう意味で、非常によい症例ですので、ディスカッションしてみたいと思います。
    まず、確認しておきたいんですが、先ほど電気浸透の差というのは、具体的にはどういうことですか? どうして電気浸透の差で、Mバンドが・・・。

  • (発表者、司会をうけて)セパラックスSPですと電気浸透は0ですよね。ザルトリウス膜も、だいたい0というか、ほとんど0にちかいということで、極端にいいますと、セパラックスとセパラックスSは浸透度がある、という観点から、今回、セパラックスSPで出たということは、そこに問題があるのではないかと思ったんですけれども。

  • (助言者)免疫電気泳動の支持体は、アガーとアガロースの混合を用いているようですが、コントロールと比較すると、このPは明らかに、絶対におかしいです。ファーストγが非常に薄くて、スローγは非常に濃いと、これはおかしいという感じがわかります。そのつもりで抗血清のほうを見てみますと、PのIgGの沈降線がおかしいという感じがいたします。特に、このPのκとλの差が明らかにでています。ですから、IgG−κ型M蛋白というのは当然でしょう。免疫電気泳動で検出されていないのではなくて、検出されていると思います。
    では、先ほどのSP膜でどうかというと、SP膜ではむしろ、slow−γではなく、ポストγ位になっている。これはよく起こる現象でありまして、セルロースアセテート膜で、ずっとスローにあるのがもっと中側に入ってくるということは、寒天とかアガロースを使っているときによく起こることでして、それがどういう現象で起こってくるのかということはまた別の問題ですけれども、これは有り得ることだと思います。
    ただ、あまりにもスロー側といいますか、ポスト側に流れてしまっているというのは、確かに珍しい現象かもしれませんけれども、一般的な現象としては、時々起こる、と考えてよろしいと思います。

  • (司会)非常によいヒントを与えていただいたと思います。
    それでは、こちらの方で解析した結果について詳しくお話してみたいと思います。



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