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泳 動 所 見 | : | 蛋白分画(上) γ分画の増高(IgA増高の疑い)。波形帯は見られなかった。 免疫電気泳動(下) IgA−κ型M蛋白。プレアルブミン、アルブミンの軽度減少。 |
その他の検査所見 | : | 血算 貧血。 血液像 ミエローマ、メタ等出現。大小不同、赤芽球出現。 TP 若干上昇。 尿酸 上昇。 コレステロール 低値。 総ビリルビン 若干上昇。 電解質の変動、Ca若干上昇およびりん低下、つまり逆転減少が起こっている。 LDH 高値。 アミラーゼ 低下。 IgA定量 著増。 IgG定量 低下。 IgM定量 低下。 フェリチン 正常値の150倍。 LAP 若干高値。 ZTT マイナス。 |
経 過 | : | 治療サイドでは肺疾患にのみ注目していた。骨粗鬆所見を発見し腰痛を聞きだしたのは臨床検査技師で、分画報告書を見てミエローマを確信し治療サイドに提示したが、「波形帯がない=ミエローマではない」と取り合ってもらえなかった。 泳動像よりIgA著加を予想した技師は免疫グロブリンを定量し、IgA著増、IgGおよびIgMの低下を、さらに免疫電気泳動によりIgA−κ型多発性骨髄腫であることを確認した。念のためフェリチンが正常値の150倍であるという結果なども添え、再度治療サイドに情報提供したところ、入院から10日後に骨髄採取に踏み切り、病理組織学的所見ならびに骨髄像検査所見から多発性骨髄腫と診断された。 |