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| 泳 動 所 見 | : | 蛋白分画 セパラックスSP(上)では、塗布点よりも陰極側にバンドが出現した。従来使用していたセパラックスでは、先細りではあるが塗布点よりも陰極側のバンドは出現しなかった。 免疫電気泳動 アガロース加寒天を使用しているセンターに依頼したところ、原点付近にロケット状の沈降物が見られた。しかし、別の施設でアガロースゲルで測定したところ、通常のIgGより陰極側に沈降線が確認できた(IgG−λ)。確認のためにもう一度センターに依頼したところ、やはりロケット状の沈降物が見られたが、結果はIgG−λ型と報告されていた。 M蛋白の量が少ないので、モノクローナルな増加ではないのではないか、と推測した。 |
| その他の検査所見 | : | MCH 若干高値。 Hb 低値(貧血があるというほどではない)。 γグロブリン 高値。 ALP 微増。 コリンエステラーゼ 低下。 GOT、GPT やや高値。 LDH 高値。 BUN 軽度上昇。 クレアチニン 正常値の上限。 MAP やや高値。 γ−GTP 若干高値。 TG 低値。 鬱血性心不全、TGおよび肝臓での蛋白合成能を反映するコリンエステラーゼが低値であることから、栄養状態不良もしくは肝機能低下が示唆される。 BUN軽度増加とクレアチニンギリギリから、腎機能障害も説明される。 |
| 結 論 | : | 本態性のM蛋白血症と思われる。 膜の種類により易動度が違うのは、膜の特定成分と反応するM蛋白であるからではないか。 等電点電気泳動など、つぎの解析をしてほしい。 |