| 回答 | - IEPへの影響
文献的には、IgA1型に比べIgA2型のほうが易動度が速くなります1)。免疫電気泳動では、正常のIgA1とIgA2型M蛋白の両方の沈降線が現れることもあります4)。
また、IgA2にはアロタイプが2つあり、それぞれ違った挙動を示します。ELPフォーラムで発表された症例の場合、IgA2m(1)はα1分画に1)、IgA2m(2)はβ分画の陽極側に2)出現しています。ただし、α2分画やβ分画に見られたIgA2m(1)の報告3) 4)もあり、かならず同じ位置に出るわけではなさそうです。
- IgAサブクラスの確認方法
モノクローナル抗体を用いる方法2) 5)とジャッカリンというレクチンの一種を用いる方法1)、およびELISA法6)があります。
モノクローナル抗体を用いる方法は、ケースプレゼンテーション11−2に用いられた方法と同じで、抗血清がIgA1とIgA2に変わっただけです。
ジャッカリンはムチン型糖鎖をもっているIgA1サブクラスと結合します。正常血清におけるIgAサブクラスの存在比はIgA190%、IgA210%といわれていますから、ジャッカリンで処理するとIgAの易動度が大きく変わります。もし変化がないとすれば、IgA2である可能性が高いと言えます。
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