第10回 リレー講演より「CK−MM、MBアイソフォームと急性心筋梗塞について」(4)


CK−MM、MBアイソフォームパターン

 このスライドは、本法で得られた急性心筋梗塞初期の、CK−MM、MBアイソフォームの、実際の分画例です。陽極側より、MB1、2、3が、pI5.1、5.2、5.4に、MM1、2、3、4が、pI6.2、6.7、6.9、7.1に分離されています。通常の電気泳動で分離されるMM3とMB2は組織型といわれ、このMM3とMB2の増加が鋭敏に検出できれば心筋からのCK逸脱をより早く把握できることになり、このことがCKアイソフォームが急性心筋梗塞で有用な理論的根拠となっています。

 また、等電点電気泳動では、MM4やMB3といった通常の電気泳動では分離できない陰極側のマイナーバンドが分離でき、これが等電点電気泳動でCKアイソフォームを分画する上での長所となっています。また、MBアイソフォームは分離が難しいといわれていますが、このスライドのようにMBアイソフォーム間のpIの差は小く、このことがMBアイソフォームの分離を困難にしていると思われます。



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