第10回 リレー講演より「CK−MM、MBアイソフォームと急性心筋梗塞について」(2)


CK−MMの活性とアイソフォーム

グループと主な病態CK-MM
活性アイソフォーム
A 健常成人型パターン基準範囲内MM3<2<1
B CPase低活性パターン
肝硬変症、他
基準範囲内MM3>2>1
C 持続的大量MM逸脱パターン
筋ジストロフィー、他
上昇MM3<2<1
D 一過性大量MM逸脱パターン
急性心筋梗塞、他
上昇MM3>2>1
 スライドは血清のCK−MM活性とアイソフォームパターンの一般的な分類です。健常群ではMM1、2、3のメインバンドのみが検出され、陽極側で血清型のMM1が最も優位で、次いでハイブリッド型のMM2であり、組織型のMM3は最も低活性です。また、MBでは血清型のMB1が存在しますが、低活性のためほとんど検出できません。肝硬変症などでは活性はほとんど上昇しませんが、組織型のMM3が優位であり、筋ジストロフィーなど持続的に大量のMMが逸脱している疾患では、活性は高くても血清型のMM1が優位です。そして、一過性に大量のMMが逸脱する急性心筋梗塞では、組織型のMM3が優位で、健常群とは全く逆のパターンです。



      講演録に戻る