コントロールサーベイ10年間を回顧して(3)


【サーベイ方法の変遷】

 大きな変化は下記のような内容だが、詳細は表1.サーベイ方法の変遷を参照のこと。
  1. 第1回は、2種類の検体、セルロースアセテート膜を用いたxバー−R管理で各分画の評価を行った。
  2. 第3回は、主成分分析法を用いた総合評価を、サーべイ報告に新たに追加した。
  3. 第4回は、総含評価を改良しカタヨリ+バラツキにした。
  4. 第5回は、検体を1種類にし、主成分分析による絶対値総合評価を導入した。
  5. 第6回より、保守改善活動を開始した。

表1 サーベイ方法の変遷
実施項目/年度H.1年度
第1回
H.2年度
第2回
H.3年度
第3回
H.4年度
第4回
H.5年度
第5回
H.6年度
第6回
H.7年度
第7回
H.8年度
第8回
H.9年度
第9回
参加台数259325365396412462469493492
検体I.II(N,AB)I(N)
測定2シート*5日間7シート(n=14)
評価方法/主成分分析なしX、S合成主成分による個別評価実施。主成分4個から合成。
X:2.11、3.08、4.00
S2.40、3.90、4.60
左記のX、Sに加えX+S合成主成分による総合評価も実施。
X:2.11、3.08、3.85
S:2.59、3.83、4.57
X+S:3.24、4.41、5.11
X、Sの主成分数4→3個採用に改正。
その結果、X:3.58、S:5.46、X+S:5.08に合格基準を改正
従来法/分画別カタヨリX、バラツキSの4段階。
X:1〜±3SD
S:-1.5、1.5、3SD
参考データとして実施。
バラツキは-0.72、0.72、1.44シグマに改正
その他 全自動泳動装置の主成分精度評価の試案:事例、計算法、データ分布、有効性等を発表。櫻林先生がその重要性を評価。合成主成分による総合評価について:主成分値の計算法、特徴、従来法と比較した有効性を発表。左記報告内容にX+S合成主成分の意味、計算法と評価基準値を補完して紹介。主成分によるデータの制度評価:精度悪化の3パターン、データの絶対値評価例、変数交換による精度向上、Dランク施設の分布を報告。
不合格装置への処置と結果:対応方法、原因分析、不良内容を報告。
主成分にて装置不良発見と対策例:主成分評価、従来法評価、SDの検討。装置調査、不良受光部の交換、修理後の主成分/分画値評価。
不合格装置の台数と処置:台数、対策内容、結果、ユーザーが対策可能な不良%を報告。
不合格装置35/37台の泳動パターンの観察、47不具合現象別原因推測、処置内容、日常保守では実施困難な部分の不具合内容、保守上の注意等につき報告。不合格装置30/32台の泳動パターンの観察、43不具合現象別原因推測、処置内容、日常保守では実施困難な部分の不具合内容、保守上の注意等につき報告。不合格装置36/42台の泳動パターンの観察、42不具合別原因推測、処置内容と台数、泳動パターンは正常で濃度計の劣化例の注意等につき報告。
保守改善活動  基準施設を設定してユーザー支援を実施した結果、日常保守の重要性を再確認した。基準施設:支持体や機械の改良と共に日常保守がデータの信頼性に影響すると確認された。基準施設は試薬交換、取り説通りの日常保守後に測定。一般施設は日常の方法で測定した。    


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