第 9 回発表・抄録番号 3

血清IgA値がかい離を示すIgA型多発性骨髄腫 (9)

【M蛋白の重合について】
  • (助言者)それからもう1つアガロースゲル電気泳動とセルロースアセテート膜電気泳動のIgAのM蛋白の移動度が同じですか。アガロースの方はたまたま原点がこの位置にあったために、原点の穴の中にベッタリ周辺にまだ蛋白がたくさん残っていましたので、1つの考え方からすると、この蛋白は分子重合おこしていて、ほとんど拡散できないのでまわりで、反応してしまったという考え方ができます。しかし今セルロース・アセテート膜もほぼ同じだということになると、それプラスたまたまそこのところに移動度があったということかもしれません。
    それで重合の状態を昔、どういう分子量のIgM蛋白ですか、ということを知るために超遠心分析法をやった時代があります、今でも研究的にやりますが。超遠心分析法でやると、意外と重合しているIgAの分子の大きさがわからなくなってしまう。というのは超遠心分析法にかけるとものすごく蛋白量を少なくして検査しますから血清の中にある状態での重合状態は観察できないということになります。
    そのアグリケーションがたまたま共有結合で結びついているものであればいいんですけれども、こういった場合にはよく共有結合でなく、重合ですから、希釈していけば離れていく性質を持っている。そういう意味からすると生体の中でどれ位の大きさをもっているか推定するのには、ゲル濾過、特に薄層ゲル濾過を使った方が生体の中での分子の大きさの状態を知るのに適切であると思います。この患者さんは重合が強かったと思いますので、あるいは粘稠度を測るとものすごく高いかもしれません。



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