| 【膠質反応と血清蛋白との関連性について】
- (フロアから)免疫グロブリンの定量が高値で、チモールクンケルがさほど高値にならないという症例について他院の方から相談を受けました。現在ゲル濾過でγ分画を分離しまして、その試料を使いクンケルとかチモール反応が抑えられているんではないかと思いまして、等電点電気泳動法も併用して、検索をしているところです。
- (司会)ZTT、TTTなどの膠質反応についてですが、血清蛋白との関連性についてここで簡単にふれておきたいと思います。
皆様もご存じのように、膠質反応はグロブリンの化学的沈降反応で、血清蛋白分画の量的、質的変動と密接に関連しています。しかし、その明快な機序はまだわかっておりません。一般に、ZTTは血清蛋白分画のγ分画と、TTTはβ分画に存在するIgMや脂質と非常に高い相関を示すことが知られております。故に、γ分画に出現するM蛋白および肝障害などでZTTは高値を示しますし、TTTはβ-lipo 蛋白、IgMの増加で高値を示します。M蛋白の場合、IgG型はmid-γ位(γ分画の中央)あるいはslow-γ 位(γ分画の陰極寄り)の位置に出現する例が多く、このようなIgGが増加した場合はZTTが比較的高値を示しますが、同じIgG型でもβ分画からfast-γ 位に出現するM蛋白の場合、ZTTは高値を示さない傾向にあります。すなわち、個々のM蛋白がもつ等電点、あるいはサブクラスの相違によって膠質反応は大きく影響される可能性があるわけです。
今回の症例で、膠質反応が高値を示さなかったのは、IgGおよびIgA型M蛋白ともβ分画からfast-γ 位にかけて出現しており、等電点も酸性側にあるためではないかと思われます。
|