第 3 回発表・抄録番号 1
γ分画が高値になる症例
【症 例】
泳 動 所 見
:
アルブミン分画減少。
β分画やや低値。
γ分画高値、あきらかなMピーク。
その他の検査所見
:
1. TP高値。
2. GOT、GPT、γ−GPT高値。
結 論
:
M蛋白の可能性が高い。
【解 説】
アルブミンはみかけ上減少しているが、mg/dLに換算すると変化なし。したがって、TP高値の原因はγグロブリンの増加に起因する。
GOT、GPT、γ−GPT高値より、肝障害の存在が疑われる。軽度上昇であるから、アルコール性のものかもしれない。
グロブリンの値が高くなってくると、血清膠質反応が上昇する、ということが従来からいわれている。しかし、そのメカニズムは解明されていない。
また、M蛋白があるからZTTが上がるとは限らない。IgG型M蛋白では、易動度が遅いほど膠質反応は上昇するが、たとえばM蛋白がファーストγあるいはβ位にくるような易動度の速いIgG型M蛋白の場合は、悪性であるほどZTTが低く出る傾向にある。IgA型M蛋白では、膠質反応が上昇することは少ない。
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