第 12 回発表・抄録番号 3

IgG-κ型多発性骨髄腫症例に認められたパイログロブリンの性状 (1)

 パイログロブリンは血清を56℃から60℃で加熱すると白濁凝固あるいはゲル化し、冷却しても再溶解せず、また、Bence-Jones蛋白と異なり、100℃加温によっても再溶解しない蛋白です。通常血清非動化の過程で見出されます。
 一般的にはIgGがパイログロブリンの性状を示しますが、IgA、IgMが示すこともあります。今回IgG-κ型多発性骨髄腫の経過中にIgM-λ型M蛋白が出現し、パイログロブリンの性状を呈した症例を経験したので報告します。


症例

患者:61歳、男性
既往症:特記すべきことなし
家族歴:特になし
現病歴:平成8年人間ドックの検査でM蛋白血症を疑われ、血液疾患センターで多発性骨髄腫と診断され入院。化学療法治療を受け、以後外来で経過観察。平成11年7月、気管支炎症状で来院。呼吸器科で気管支炎にて、抗生物質投与により軽快。10月に再度悪化。血液疾患センターで肺所見の悪化と蛋白分画の異常が認められ、本院に転院となる。
 患者は61歳、男性。平成8年人間ドックの検査でM蛋白血症を疑われました。血液疾患センターを受診し、多発性骨髄腫と診断され入院しました。化学療法で軽快したため、以後外来で経過観察されていました。平成11年7月、気管支炎の症状が出現しましたが、抗生物質投与により軽快。しかし10月に気管支炎様症状が再度悪化したため、血液疾患センターを受診。肺所見の悪化と蛋白分画の異常を指摘され本院に転院しました。入院時、胸部X線検査で、両肺に胸水を伴った瀰漫性の間質性肺炎が認められましたが、頭蓋X線、他の骨X線像では、Punched out lesionは認められませんでした。



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