第 12 回発表・抄録番号 2

治療経過中に複数のIgG-κ型M-bandが出現したIgA2型多発性骨髄腫の一例 (2)

末梢血幹細胞移植  末梢血幹細胞移植のことについて簡単に説明したいと思います。適用疾患は白血病や骨髄腫などがあります。末梢血中には正常時には造血系を再構築できるほどの幹細胞は存在しませんが、化学療法を行い骨髄抑制の状態になった後の造血回復期や、サイトカインのG-CSFという顆粒球コロニー刺激因子を数回打ちますと、末梢血中にも正常時の数十倍の幹細胞の流出が見られます。この幹細胞の動員法としては、化学療法単独の場合も有りますし、化学療法とG-CSFを併用する場合があります。末梢血中から採取された、造血幹細胞は種々の方法で細胞数の評価を行い、移植するのに足りる数の細胞数が集まらなければ、数回繰り返します。

 採取された幹細胞中にも、まだ腫瘍細胞が混入する場合がありますので、その場合には種々な方法を用いて可能な限りその腫瘍細胞を除去したあと、移植を行います。



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